[00:02.700]あいつが家にやって来たのが5歳ぐらいの時だ [00:06.700]俺じゃない あいつの年齢だ [00:09.700]ひと目で将来飛び切りの美人になると見抜いたが [00:14.700]親父が 兄として弟の教訓になれなんて言うから [00:18.700]そう思うことにした [00:21.700]まぁ隠し通せるはずがないとも思ったよ [00:26.700]ウーサー王は次の王に 人間ではないものを用意しようと考えた [00:32.700]人間と龍の混血 [00:35.700]人の铸型で生まれる 王の化身だな [00:40.700]ウーサー王の血と龍の血 [00:44.700]その2つを繋げるために最適な尊い女の血 [00:50.700]ロマンスのかけらもない 結果だけを残す行為だ [00:56.700]そこに愛があったからと あると思うのかい [01:00.700]そなことすら分からないから お前は非人間なんだ [01:06.700]こうしてアルト...アーサー王は誕生した [01:12.700]魔術世界では概念受胎というらしいな [01:16.700]人に龍で機能を付けるとか [01:19.700]どうあれ まともな人間には育たないだろう 普通ならな [01:25.700]だがあいつはその点が普通じゃなかった [01:30.700]今じゃそれこそ真実味のない話だが [01:33.700]あいつは町にいる娘たちと何も変わらなっかた [01:37.700]ただの町娘だよ 町娘 [01:41.700]ああ けど負けず嫌いなのは生まれつきだ [01:45.700]あいつの勝ち負けの基準ってのは [01:48.700]情けない自分に対いしてのものだった [01:52.700]へこれてもすぐに顔を上げる [01:55.700]前向きの精神にもほどがある [01:58.700]そのくせ傷つきやすい [02:00.700]素直すぎて 物事を受け流すことができなっかたんだろうな [02:06.700]そんなやつが十年間 親父の元で厳しく育てたれたんだ [02:11.700]そりゃ理想の王にもなるだろう [02:15.700]俺はいい迷惑だったが [02:21.700]選定の剣を抜いた後のことは お前の方が詳しいだろう [02:26.700]修行を終わえ 選定の剣カリバーンを使いこなせるようになった [02:31.700]ようやくあいつは王の名乗りをあげた [02:35.700]十一回に及ぶサクソン人との会戦をせし [02:38.700]卑王ヴォーデイガンをうち取り [02:41.700]この白垩の城 キャメロット城が誕生した [02:46.700]それから十年 行き着く暇もなかったな お互い [02:53.700]お前は王の補佐と言いつつ 女遊びに邁進し [02:58.700]俺は円卓の任務を片手間にして 女の尻を追いかけていた [03:05.700]アーサー王は諸侯たちをまとめながら [03:08.700]サクソ人との戦いをうまくこなしていた [03:12.700]まあまあ 穏やかな時勢だと言っていいだろう [03:16.700]先王ウーサーの野望通り 理想の王が誕生したわけだ [03:24.700]一方 俺の心配は杞憂だった [03:29.700]この後に及んでも あいつが女であることを追究する騎士は現れなかった [03:35.700]結局 誰もアーサー王を心底から認めてはいなかったのさ [03:41.700]理想の王と称えながら [03:43.700]その理想が万人を救い物と気がついた途端 責任を全て追っ付けて [03:49.700]その結果がこれだ [03:53.700]アーサー王がローマから戻ってくる頃には [03:56.700]モードレッドが挙兵しているだろう [03:59.700]俺はこんなばかけた内輪もめはたくさんだ [04:03.700]適当な理由をつけて 退散させて貰うと [04:10.700]最後に アーサー王について所感を聴かせてくれだって [04:18.700]あいつは幼い頃から 一日の大半を王としての教育に当てられた [04:24.700]おまけに眠る時間すら 馬の世話や 村の見回りなんぞに使っていた [04:31.700]あいつの人生には あいつが守ろうとするものの実体驗が全くない [04:37.700]こんな薄ら寒いことがあるか [04:40.700]俺は巨人の首だって 口先一つで 切り落とす男だが [04:45.700]その俺ですら 顔をしかめる [04:49.700]まだ親父と暮らしていた頃 [04:52.700]あまりの気持ち悪さに 俺がつい口を出した [04:56.700]おい お前いつ眠ってるんだ [05:02.700]ご心配なく兄上 明け方から日が昇るまで しっかり眠っています [05:09.700]あいつは笑顔で言いやがった [05:12.700]明け方から日が昇るまでときた [05:15.700]三時間もありゃしない [05:19.700]だが後日 知りたくもない事実を知った [05:25.700]あいつは夢の中でさえ [05:28.700]夢魔であるお前に 王の教えを叩き込まれていたのだと [05:35.700]お笑い種だよ [05:38.700]ずなまるところ 本当に眠るすらいなかったわけだ [05:43.700]だから今 この国の終わりを前にしてふっと思ったんだ [05:51.700]ばからしい [05:54.700]そこまでして あいつは何がしたかったんだか