[00:22.98]未だに暁を覚えずに微睡みの中 [00:30.35]ぽつりぽつりがしとしとへ移ろう虚ろ [00:36.38]褪せ行く時の中 ただ立ち止まり蹲る [00:41.97]眼裏の冷たい闇は優しい嘘 [00:50.47]生きず死なず 彷徨うでもなく [00:55.55]漂う稀薄 此処に在らず 何処 其処 彼処 [01:02.22]生きるままに死殻となるか [01:06.85]其の滓を焼べ 死しても生き 嘘を喰らうか [01:27.75]己が心の内 撫で回すのは [01:33.23]救いを着飾りて巣食う己が餓鬼 [01:39.31]群がり祀り上げ貪り尽くされるだけ [01:45.74]此れは「夢」か「現」か… [01:48.22]御覧遊ばせ [01:50.86]死出の旅へ 其の背を押すのは [01:56.21]共に散り行く薄紅色 数多の命 [02:03.13]志せば纏わり付くのは落葉の蜜 [02:09.86]私語を掻き消したざわめき [02:16.24]音も無く散る命飾る音 [02:27.65]声無き雨の唄 弔いの餞として [02:33.33]喰らい飲み込む優しい嘘 [02:43.84]今宵もまた朧に隠れて毟り取られる [02:49.97]其の腕を払えぬ脆弱 [02:55.36]生きぬままに死に様を選ぶ 晒すは不様 [03:02.04]目擦れど暁は遠く [03:23.13]痛みに咽び泣いて喘ぎ置き去りにされ [03:31.44]過ぎ去りし遥か彼方 [03:37.51]紛い物の優しさが瞼を落とす [03:43.89]冷たい眠りへ誘う [03:48.30]春時雨